2022年06月28日

映画『少年の君』(2019年・中国)

2011年の中国の架空都市が舞台です。
進学校に通う少女チェン・ニェン。
大学進学の為の全国統一テストを前に学校は殺伐としています。
母子家庭のチェン・ニェンは、貧しさから抜け出す為に必死で勉強しています。
そんな中、一人の少女がいじめを苦に飛び降り自殺をします。
それをスマホで撮影する生徒たち。
チェン・ニェンは大勢の生徒達の遠慮の無い目に晒されている彼女に
着ていた上着をかけてやります。
ところが、その事によって今度はチェン・ニェンがいじめの対象になります。
いじめを避けるために裏通りを帰る途中、暴行現場を目撃した事により
少年シャオベイと知り合います。
孤独な2人は心を通い合わせていきます。
「君は世界を、僕は君を守る」と、そっとチェン・ニェンを見守るシャオベイ。
統一試験が迫ったある日事件はおきます。

中国の過酷な受験戦争!まさに戦争です。学校はまるで軍隊のようです。
ヒリヒリと目を覆いたくなるような過酷な現実とイジメ。
受験に打ち勝つ事が、貧乏から抜け出せると信じる少女と、
彼女を支えることで自分の世界も変わると信じる少年。
若い二人の、お互いを信じる強い心が観ている者の胸を熱くします。

とにかく!主演の2人が素晴らしい!
少女チェン・ニェンを演じたチョウ・ドンユイは
10年前の「サンザシの樹の下」の時の透明感がそのままです。
存在感を消すようにたたずむ少女と、意志の強さを目に宿す少年。
イジメ、受験戦争に中国が抱える社会問題にミステリー要素も加わって
最後まで目が離せません。
間違いなく名作です。
是非!是非!観てほしい!

それにしても中国、この映画の公開をよく許したなぁ〜。


posted by バリアフリーシアタースタッフ at 17:27| Comment(1) | 映画

2022年01月13日

映画「アルプススタンドのはしの方」とドラマ「ストーブリーグ」

どちらも野球関係の映画・ドラマですが、野球映画・野球ドラマではありません。

映画「アルプススタンドのはしの方」(2020年・日本)
高校野球の応援に来た生徒たちの会話で成り立っている映画です。
野球のルールを全く知らない演劇部の女生徒2人。
元野球部員の男子生徒。帰宅部の成績優秀な女生徒。
そして...時々現れては「声を出して応援しろ!」
と叫ぶ英語教師。主な出演者は5人。その他に吹奏楽部の女生徒。
画面はほぼ「アルプススタンドのはしの方」だけ。
野球の試合は出てきません。スタンドにいる4人+1人の会話と
グラウンドから聞こえる音で試合状況が分かります。
「仕方ない」って言わない!そう!
何より設定が斬新!「日本映画もやるなぁ〜」とうなった映画です。
てっきり高校野球の地方予選?と思って観ていましたが
「うん?アルプススタンド?って事は甲子園?」
どう見ても甲子園には見えませんでしたが、そんな事はどうでも良いほど
素晴らしい映画でした。

ドラマ「ストーブリーグ」(2019年・韓国)
ストーブリーグとは野球シーズンが終わり、来シーズンに向けての
トレードなどが行われる季節が、ストーブのいる季節なのでこう呼ばれます。
野球チームのフロント側を描いたドラマです。
最下位常連チームにやって来た新任GM(ジェネラルマネージャー)
何と!優勝請負人のGMは野球は未経験なのです。
親会社は野球チームが重荷で解散したいと思い、あえて未経験の彼を
GMにしたのですが...
そのGM、エースさえもトレードに出す大胆さ!そして沈着冷静。
冷淡とさえ思えるその手腕に選手もスタッフも反発しますが...
他のチームのGMとの駆け引きに胸わくわく!
韓流ドラマの定番の「記憶喪失・復讐・不倫等々...」一切なし!
冷たく見えるGMの優しい心遣いにグッときます。
もしかしたら...来シーズンは優勝出来るのでは?
ストーブリーグですからシーズンが始まるまでのドラマですが
掛け値なしで面白い!野球を知らなくても面白い。
阪神タイガースの低迷時代が頭をよぎりました(笑)


posted by バリアフリーシアタースタッフ at 23:29| Comment(0) | 映画

2021年09月13日

映画「僕たちの先にある道」(2018年・中国)

素敵な映画に巡り会いました。
日本では劇場未公開とは...勿体ない!
この映画、素晴らしい言葉が沢山出てきます。

2007年の旧暦の大晦日、ごった返す帰省列車の中で出会った
“ジエンチン”と“シャオシャオ”
大学生の“ジエンチン”の夢は「良い仕事を見つけ故郷に錦を飾る事」
田舎から都会に出て働いている”シャオシャオ”の夢は「北京戸籍の人と結婚する事」
シャオシャオは「学歴と家がある人」と付き合っては別れ、
ジエンチンのアパート(シェアハウス)に転げ込みます。
やがて愛し合うようになりますが、貧しくて先の見えない生活に
疲れた彼女は離れていきます。
そして10年後、2人は飛行機で偶然再会します。
ジエンチンはビジネス、シャオシャオはエコノミー。

この映画、10年前がカラー映像で10年後の今はモノクロなのです。
貧しくても希望があった若い日々がカラーで、現実の世界に折り合いを
つけて暮す今が白黒...と言う事なのでしょうか?
そして過去に置いてきた互いの気持ちを知り、自分たちの先にある道
を見つけた時に、画面はカラーになります。
愛を知った人がカラーになる映画「カラー・オブ・ハート」を思い出しました。

「君のためなら天に昇って月を取る」
「俺たちは若くて賢い。貧乏は一時の辛抱、金持ちになる」

「君が不幸なら悲しい。幸せならあまりうれしくない。俺と同じかちょっと不幸が良い」
「元カノの不幸を望むなんて」
「君を幸せにする人が自分じゃないと悲しい」

本編も素晴らしいですが、エンドロールがまた素晴らしい!
『ごめん』の一言は、大切な人を失う前に...
『愛してる』の一言はまだ間に合ううちに...


エンドロールのために本編があった?と思うほど、エンドロールに泣かされます。

中国の戸籍は「都市戸籍」と「農村戸籍」がある事は皆さんご存じですよね。
農村戸籍に比べて都市戸籍は随分と優遇されているのです。

もう随分前ですが、教育テレビで休日にアジア映画を放映している時期がありました。
「變瞼(へんめん)/この櫂に手をそえて」や「あの子を探して」「おばあちゃんの家」
等のアジアの素晴らしい映画を知りました。

posted by バリアフリーシアタースタッフ at 22:51| Comment(0) | 映画