2021年10月02日

第27回KAWASAKIしんゆり映祭より

副音声イヤホンガイド付上映『茜色に焼かれる』と
HELLO!MOVIE対応作品『ラプソディ オブ colors』のお知らせです。

『茜色に焼かれる』
〈あらすじ〉
7年前の交通事故で夫を亡くした田中良子(りょうこ)。
自身の信念から賠償金も受け取らず、義父の面倒を見ながら、
中学生の息子・純平(じゅんぺい)を育てている。
純平は学校での屈辱的ないじめに耐えながら、哀しみや怒りを見せず
気丈に振る舞う母を気遣っている。
理不尽なことだらけの社会を、懸命に愛情深く生きる母・良子を
尾野真千子(おのまちこ)が熱演しています。
『舟を編む』の石井裕也(いしいゆうや)監督が書き下ろした
心揺さぶられる人間ドラマです。

〈スタッフからのオススメコメント〉
これは一人の戦う女性の物語であり、“私たち自身”の物語です。
出口の見えない感染症、決して乗り越えられない差別、
何のためにあるのかわからないルール、冗談のような陰湿ないじめ…。
今の日本社会に巣食う“病魔”に必死に抗いながら生きる主人公の姿は
悲しくも胸を打たれます。元気としなやかさをもらえる作品です。

〈上映後イベント〉
11月7日の上映後、トークイベントを行えるよう調整しています。
【上映日時】10月31日(日)13時15分 /11月7日(日) 13時00分
【会場】川崎市アートセンター・アルテリオ小劇場
【料金】当日前売共1,100(障がい者、付き添い1名まで)

〈作品情報〉
2021年/日本/144分
監督・脚本:石井裕也/撮影:鎌苅洋一(かまがりよういち)
出演:尾野真千子・永瀬正敏(ながせまさとし)・和田庵(わだいおり)

<作品解説>
この作品「茜色に焼かれる」は社会的弱者が、直面する世の中の不条理に翻弄
されながらも、自らの信念を貫き、懸命に生きようとする母と子の物語です。
監督・脚本・編集は石井裕也。
「舟を編む」では日本アカデミー賞、最優秀作品賞、最優秀監督賞を受賞。
「夜空はいつでも最高密度の青色だ」では、キネマ旬報ベストテン1位を
獲得しました。
石井監督は「今、作るべき映画だった」と今の世相に正面から対峙することで、
人間の内面に向き合って作品を作っています。
母親、良子を尾野真千子。
カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した「殯(もがり)の森」に主演。
映画「そして父になる」NHK連続テレビ小説「カーネーション」など多くの
作品に出演しています。
また、この作品では主人公を驚くべき存在感で演じています。
息子、純平を「ミックス。」の和田庵。
良子の同僚、ケイを「ねことじいちゃん」の片山友希(かたやまゆき)。
交通事故で命を落とす夫、陽一(よういち)をオダギリジョー。
風俗店の店長を永瀬正敏。それぞれ個性的に演じています。


『ラプソディ オブ colors』
この映画は、HELLO! MOVIEレジスタードマーク(ハロームービー)対応作品です。
スマートフォン・タブレットにHELLO! MOVIEレジスタードマークアプリをダウンロードして、
ご利用いただくサービスです。
ご鑑賞の方は、『ラプソディ オブ colors(カラーズ)』の音声データを事前に
ダウンロードし、ご持参ください。スマートフォン・タブレットの貸出はありません。
ご不明の点がありましたら、事前にお問い合わせください

〈作品解説〉
東京都大田区にある、小さな3階建ての民家。
3階には知的障がいの青年「げんちゃん」が支援制度を使って一人暮らしをしている。
2階にはカメラマンやヘルパーさんがシェアして暮らす。
その1階にあるバリアフリー社会人サークルcolors(カラーズ)は、
障がいがある人・ない人・グレーな人が集まってくる場である。
毎月10本ものイベントが開かれ、のべ800人もの人が集る。
大学教授の講義や落語、ただの飲み会。なかでもプロから愛好家まで誰もが
同じステージに立つ、寅屋オープンマイクは毎回大賑わい。
カラフルな参加者たち≪生≫(せい)がほとばしる。
監督は、2016年にドキュメンタリー「kapiw(カピウ)と
apappo(アパッポ)〜アイヌの姉妹の物語〜」で民族の中の個人を
みずみずしく描いた佐藤隆之(さとう たかゆき)監督。
現役タクシードライバーをしながら、人々の悲喜交々を見てきた視点でカメラを
回し、次々に起こる、いろいろな人のいろいろな事件を追ううちに、
予定をはるかに超え、500日にわたって撮り続けた。
問答無用、人間まるだしの狂騒曲。

〈作品情報〉
2020 年/日本/108 分 ドキュメンタリー
監督・脚本:佐藤隆之(さとうたかゆき)

〈スタッフからのオススメコメント〉
登場する方々がとにかく、”個性的”です。
劇中で「魔女」と称される、colors代表の石川(いしかわ)さん。
地域福祉の立役者でありながら、自らを「マイノリティを食い物にするハエ」と
毒づく中村(なかむら)さん。
2人の元に集まるカラフルな人々には「助ける―助けられる」関係はありません。
巷にあふれる「泣かせる展開」は完全否定、混沌の中に見えてくるものとは? 
見逃した方はぜひ、この「場」の目撃者となってほしいです。
一度ご覧になった方でも、2回目の鑑賞では、登場する人たちのまた別の面を
発見すると思います。

〈上映後イベント〉
11月7日の上映後、佐藤隆之監督のトークイベント(30分程度)を予定しています。
【上映日時】11月5日(金)12時45分 /11月7日(日) 13時30分
【会場】川崎市アートセンター・アルテリオ映像館
【料金】当日前売共1,100円(障がい者、付き添い1名まで)

〈ご予約方法〉
【受付期間】10月24日(日)まで
【電話受付時間】平日11:00 〜 18:00
以下の項目についてメールか電話で映画祭事務局までお知らせください。
@予約内容:副音声イヤホンガイド付上映(FMラジオ・送迎の有無)
/HELLO! MOVIE対応作品(送迎の有無)
A鑑賞希望日時・作品名 Bチケット希望枚数 C氏名 D住所 
E連絡先(自宅電話/携帯電話/FAX番号/メールアドレス)
F介助者の有無 G盲導犬と来場の方はお知らせ下さい。

【予約連絡先】
NPO法人KAWASAKIアーツ・映画祭事務局
電話:044‐953‐7652(平日11:00〜18:00)
メール:cinema-uma@siff.jp
※予約は川崎市アートセンターでは受け付けておりません。

【ご案内】
・ご予約のない場合は入場できない可能性があります。
・チケットは当日、上映20分前までに会場にてご精算ください。
・サービスは利用者とスタッフの相互感染予防に配慮して行います。
ご協力をお願いします
・FMラジオ貸出はチケット精算後となります。
 (ご自分のラジオの持ち込みも可です)
・着席したらラジオでテスト放送の作品解説を聴いてください。
・ラジオが良く聴こえない場合は、手を挙げてお知らせ下さい。
 係りの者がラジオを交換いたします。 
・スマートフォン・タブレットの貸出はありません。
・キャンセルの場合は映画祭事務局までご連絡ください。

【上映会場】
川崎市アートセンター
住所:〒215‐0004 川崎市麻生区万福寺6‐7‐1
小田急線新百合ケ丘駅北口徒歩3分
※1階 正面階段裏にエレベーター有  
※受付・上映会場は2階
※自動販売機は1階と2階に有り。
※3階に休憩スペース有(食事持込可能)

[主催] NPO法人KAWASAKIアーツ
[共催]川崎市、川崎市アートセンタ−(川崎市文化財団グループ)、川崎市教育委員会、
日本映画大学、(一財)川崎新都心街づくり財団、昭和音楽大学



posted by バリアフリーシアタースタッフ at 12:06| Comment(0) | スタッフ

2018年07月08日

ワークショップ『声の出し方教えます』

梅雨が明けたばかりの先週末、俳優、朗読家、演技講師、朗読教室主宰など、
多方面でご活躍中の秋元紀子さんを講師にお招きし、『声の出し方教えます』
と題したワークショップを開催しました。
秋元紀子さんは、
しんゆりバリアフリーシアター制作の副音声ガイドをご利用の方には
『ニューヨーク、眺めのいい部屋売ります』『ロンドン、人生はじめます』の
“ダイアン・キートン”の吹替えでおなじみですね。
今回のワークショップの参加者は、市民ボランティアスタッフ12名で
活動歴の長い人からこの春参加したばかりの人までいろいろです。
ご存知のように、外国語映画の台詞の日本語吹替えは、プロの声優さんに
交じって私たちボランティアスタッフも参加しています。
こういったスタッフの勉強会は、2014年5月に秋元さんを講師にお招きした
『チョコレートドーナツ』吹替え発声講座以来4年ぶりで、
新しいスタッフにとっては初めてのことです。
ワークショップは、まず初めに「参加者が知りたいこと」を順番に発表する
自己紹介から始まりました。
「収録では緊張して台詞が速くなる」
「本番になると、のどが固くなり、声が固くなる」
「通る声、聞きやすい声を出したい」
「最近口が回らなくなった」
「練習を何度もして、練習の時にはうまくいくのだが、収録本番ではうまくいかない」
 等々それぞれの悩みに加えて、
「役を演じる時は、ダイアン・キートンになるのですか? 秋元さんの表現を
 つけくわえるのですか?」といった役作りへの質問までいろいろです。
秋元さんは、一人一人にアドバイスを下さいます。

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いつになく真剣(!)に聞いているボランティアスタッフ。

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“声”とは何か?ワークショップでは声の出る構造、
声を出す土台となる“体”(筋肉)の使い方を学んでいきます。

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意識しながら身体を動かしたり声を出したりすることで、
参加者にはたくさんの気づきがありました。

「“声”、”体“、”心“は三位一体」という秋元さん。
台詞を言うための“心”の準備とは…?
学んだことを心にとめながら、二人一組になって台本の台詞を言ってみます。
2時間余のワークショップでしたが、台詞を発することがこれまでと全く違って
感じられるほどの濃密な体験でした。
次回作の日本語吹き替え、一味違ってくるかもしれません!
秋元さん、大変ありがとうございました!

講師の秋元さんの朗読会「秋元紀子 ひとり語り〜角田光代の世界〜」の情報はこちら↓
朗読作品 第1部「ミツザワ書店」(30分)(新潮社文庫刊『さがしもの』所収)
     第2部「口紅のとき」(60分)(求龍堂)
日時 2018年9月2日(日)13時開演(12時開場)
場所 南青山マンダラ 03‐5457‐0411
料金 ¥3,800(1ドリンク付き)全席自由
 http://otf-webshop.com/?pid=132754394
詳細は秋元さんのFacebookをご覧ください
 https://ja-jp.facebook.com/mikadukimura/

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posted by バリアフリーシアタースタッフ at 15:16| Comment(1) | スタッフ

2018年05月31日

ご存知ですか?『副音声ガイド映画の貸し出し』を行っています!

私たちNPO法人 KAWASAKIアーツでは、
毎年11月のしんゆり映画祭で、「しんゆりバリアフリーシアター」と銘打ち、
副音声ガイド付き上映・日本語字幕付き上映・保育付き上映の3つのバリアフリー
上映を独自に企画・運営しています。
このうち、副音声ガイド付き上映は、副音声台本の制作・朗読、(洋画の場合
は日本語吹き替え)、録音編集も行ってきました。
1997年から始まった映画祭での年1回の副音声ガイド付き上映は、2018年現在
まで続いています。
また、川崎市アートセンターで副音声ガイド付き上映が通年で行われるまでに
発展し、毎回、多くの方に利用して頂いています。
千葉などからお越し下さる方もいます。
制作している者として、お越しくださることはとてもうれしいことですが
お好みの映画を選んでご覧になるために、遠方へのお出かけが必要なのは
とても大変なことだとも思います。

ところで、川崎市アートセンターでの上映を終えた後の副音声素材がどうなって
いるかご存知ですか?
実は、バリアフリー上映をしたい方がいらっしゃれば、《 副音声素材 》 の
貸し出しが可能
なのです。
これまでに映画館や上映会などに貸し出しをしました。
田端の“シネマ・チュプキ”で5月に上映していた『タレンタイム〜優しい歌』
もその中の1本です。
しんゆりバリアフリーシアターが制作した副音声素材が使用されていました。

“シネマ・チュプキ”についてはこちら→
http://chupki.jpn.org/

このように川崎市アートセンターのみならず別の映画館でもたくさんの方に
映画を楽しんでいただけるのは、制作した私たちにとっても、とても嬉しいこ
とです。
これからも色々な場所で使用され、視覚障がいの方達の映画鑑賞の機会が増える
ことをねがっています。

私たちがこれまでの20年余りに制作した副音声は77本になりました。

しんゆり映画祭での上映作品(2016年まで)はこちら→
http://www.siff.jp/siff2017/image/barrierfree/1nenpyo.pdf

川崎市アートセンターでの上映作品はこちらから→
http://kac-cinema.jp/barrierfree/

副音声ガイド付き上映をしてみたい方!
まずは川崎市アートセンターのバリアフリー担当までお気軽にご連絡を下さい。

全ての方々に映画の楽しさを...私たちバリアフリースタッフの願いです。




posted by バリアフリーシアタースタッフ at 18:52| Comment(0) | スタッフ