2020年11月08日

「殺人の追憶」「母なる証明」そして「パラサイト 半地下の家族」

『殺人の追憶』と『母なる証明』は既に鑑賞済みでしたが、
「ポン・ジュノ監督特集」で2度目の鑑賞。

『殺人の追憶』(2003年)
1986年に実際に起きた未解決事件を映画化した作品です。
現場はやじ馬で踏み荒らされ、警察は見込み捜査で犯人をでっちあげる。
そして拷問で自白させる。その上韓国では当時DNA鑑定が出来ない。
捜査員の焦りと挫折と情熱に焦点を当てた映画です。
先日、犯人が判明しました。
未解決だった2003年当時に観た方は、少女の「普通の顔だった」に
ゾッとした事でしょう。

『母なる証明』(2009年)
もう一度観たいと願っていた強い印象を残した作品です。
知的障害のある息子が、ある日少女殺害容疑で逮捕される。
息子を女手一つで育てている母は、真犯人を探そうと奔走します。
やがて真犯人とされる少年が逮捕されます。その少年も知的障害があります。
その真犯人とされた少年の母親の事を思って泣く、母。
釈放された息子が母に鍼を渡すシーンにゾクッとしました。
母の愛の強さと執念が観ているものを不安にさせ、涙します。
最後のバスの中で踊るシーンが目に焼き付いています。

「パラサイト 半地下の家族」
やっと!やっと!鑑賞できました。
「半地下」と、「地下」と「地上の豪邸」の家族の話。
半地下に住む父・母・兄・妹の4人家族があの手この手を使い
地上に住む裕福な家族に取り入り、父は運転手に、母は家政婦に、
兄は英語の家庭教師に、妹は絵の家庭教師として入り込みます。
ここまでは、入り込むためのあの手この手に笑います。
その後、地上の家族がキャンプに出掛け、半地下の家族は豪邸でやりたい放題。
ところが、母が家政婦として入る為にあの手この手で罠に嵌め、辞めさせた
前任の家政婦が「忘れ物を取りに来た」と尋ねてきます。
此処から一気にサスペンスを帯びてきます...。
私としては期待が大きすぎたか、『母なる証明』に気持ちを持っていかれた為か
今一つ乗り切れず...。
その上、地上の裕福な家族の主人を演じた「イ・ソンギュン」が...
あの良い声(本当に良い声です)の「イ・ソンギュン」が...
ドラマ『マイ・ディア・ミスター 私のおじさん』(お勧めです)の、
あの「素敵なおじさん」が...何故?どうして?(涙)
何気ない仕草が悲劇を...。
この映画悪人は出てきません。臭いがキーポイント。
子供は鋭い!!!

3作品の共通点は背中がゾワッとする事でしょうか...。

次回の副音声上映映画も韓国映画です。


posted by バリアフリーシアタースタッフ at 22:37| Comment(0) | 映画
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