2021年04月17日

ドラマ『根の深い木』と映画『マルモイ ことばあつめ』

どちらもハングルに関係する作品です。
『根の深い木』(2011年・全24話)
ハングルを作る話。
24文字の組み合わせの「表音文字・ハングル」創生の秘話。
時の王(第4代・世宋)が民の幸せを願い、お触書を出しても民は読めない。
「誰もが読める文字を」と音を分析してつくられた表音文字がハングル。
民までが文字を読めるようになるのを恐れる既存の権力者。
子供がたちまち覚えてしまう事に恐れをなし、必死でハングルの発布を阻止しよう
とする支配層と「民にも文字を」と願う王との争いです。
全24話で1話が60分強と長いですが、夢中で観てしまいました。
ミステリー色もありつつの、見やすく楽しめて...の見応えのあるドラマでした。
しかし漢字文化圏で独自の文字を持つことは「蛮族」だそうです。
日本も蛮族だとか...「漢字にカタカナにひらがな」の日本は蛮族中の蛮族だったようです。

映画「マルモイ ことばあつめ」(2018年)
ハングルを守ろうとする話。
時代は第2次世界大戦中の日本統治下の朝鮮半島。
独自の文化が否定され、言葉も名前さえも奪われようとしている。
その事を嘆く人たちが、自国の文字を守る為に全国から方言を集め、辞書を作ろう
と必死に戦います。
日本人としては、観ることが辛くもなりますが決して暗いばかりの映画ではありません。
文字が読めなかった主人公が文字を覚え、町中の看板を読み、本が読む事が出来て
自分の世界が広がる喜びを感じるシーン...胸がキュッとなります。
日本語を強要されて、朝鮮半島の人たちが日本語を話すシーンは辛いです。
しかし「日本人役の人」と、「日本語を強要されて話す人」との「日本語レベル」が同じ...と言うのは、仕方ないとしても違和感がありました。
言葉は民族の思想であり、文化であり、命である...胸に突き刺さりました。
若い人に観て欲しい!こんな過去があったと言う事を...。

posted by バリアフリーシアタースタッフ at 17:55| Comment(0) | 映画